【要約】名著 賢明なる投資家を兼業投資家目線でまとめてみた

引用:『賢明なる投資家―割安株の見つけ方とバリュー株投資を成功させる方法』

(著:ベンジャミン・グレアム 監修:土光篤洋 訳:増沢和美 新美美葉)

兼業投資家の筆者が名著『賢明なる投資家』を読んでみて参考になった点をわかりやすく要約しました。

  • “『賢明なる投資家』の要約: 株式投資の基本をわかりやすく解説!”
  • “名著『賢明なる投資家』から学ぶ: 株式投資のポイントを徹底解説!”
  • “株式投資を始めたいけれど、難しい本が多くて断念した経験はありませんか?この記事では、初心者でも理解しやすいように『賢明なる投資家』の要点をまとめました!”
  • “投資初心者や経験者でも役立つ情報が満載!株式投資の基本から実践的なアドバイスまで、一読の価値ありです!”

本書は世界一の投資家 ウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)の恩師に当たる人物であるベンジャミン・グレアム(Benjamin Graham)の記したベストセラーです。

この記事は

・『賢明なる投資家』を読んでみたけれど難しくてよくわからなかった

・『賢明なる投資家』を読んでみようか迷っている

・株式投資の勉強本を探している

こんな方におすすめの記事になっています。

“株式投資の入門書を探している人へ: 『賢明なる投資家』の要点を解説”

  • “投資初心者向けの貴重な情報を発信中!”

普通株の分析

著者の研究によると

・個別銘柄の予測はほぼ不可能。総合的な予測と広い分散投資が必要。

還元利回りを重視した銘柄選定を行うべき。

の2点を前提に普通株の銘柄分析について記載されています。

個別銘柄選定時の着目点

①全般的な長期見通し

その銘柄が長期的に見て成長見込みがあるかどうかを全般的に考慮し、予測する。

②経営者

経営者の交代が最近なされ、それによる影響が 実際に数字となって現れない段階にある企業には注目する。

③財務内容の健全性と資本構成

株価及び一株あたり利益が同じなら、 多額の余剰現金を有し、 かつ優先証券の発行が皆無の企業の方が、 優先証券を発行し多額の銀行借入のある企業 よりも優れた投資対象である。

価格や優先株の発行残高に比較して普通株が非常に少ないとき、 状況によっては普通株で 大きな投機利益を得られる可能性がある。

④配当実績

過去長年にわたる配当支払い実績がある。 過去20年以上に渡って滞りなく配当があれば 企業の質を評価する時のプラス材料になり得る。

⑤現在の配当率

株価の伸びが最も重視されているわけではない株式は「インカム銘柄」として分類され、そこでは配当率が最も重要な株価決定要因になっている。

一方、高度成長株は、将来の、例えば向こう10年間の期待成長率によって評価され、現金配当率はほとんど問題にされない。

市場での成功企業の定義

中心事業の発展に専念することを心がけ、 近年流行の企業の戦略、買収計画、 資本過大構造に巻き込まれなかった企業。

強気相場の特徴

著者の研究によると強気相場の特徴は以下の5点です。

①歴史的に高い株価水準

②高いPER (株価収益率)

③債券利回りとの比較における低い配当利回り

④信用取引による投機の増加

⑤低品質普通株の新規公開件数の増加

防衛的投資家向け普通株選定基準

①10銘柄以上30銘柄以下

②財務内容の良い有名大企業

③長期間継続的な配当金支払いが有る(過去20年間ほど)

④過去7年程の平均企業収益を参考に買い付け価格の上限を決める
(過去7年間の平均企業収益の25倍+過去1年の企業収益の20倍)

普通株の選択において筋道をはずさないようにする重要な指標

一株当たり純資産現在の配当率と株価収益率 (株価収益率=株価×一株当たり利益)

二流株を割安価格で買って莫大な利益を得る

二流企業の定義

経営状況が良く、 過去に十分な業績を上げながら、一般的には魅力のない銘柄と思われている企業

二流企業の特徴

①配当が比較的高い

②再投資された収益が株価より多い

③強気相場は低価格の株式に対して最も有利に働く

④企業の業績は何らかの新しい条件、 新しい経営方針、 経営者の交代によって是正される

⑤大企業による小企業の吸収合併

選別基準

①財務状態
流動資産が流動負債の少なくとも1.5倍以上であり、かつ負債が正味流動資産の110%以下であること

②収益の安定性
過去5年間において欠損を出していないこと

③配当の実績
現在配当が支払われていること

④収益成長
前年の収益がその年のそれ以上であること

⑤株価
1株当たり正味有形資産の120%以下であること

割安株でカネを儲ける方法

・十分な銘柄数を見つけて投資を分散し、なおかつ買って直ぐに値が上がらなくても我慢出来る忍耐力を身に付ける。

・過大評価されている株は避ける

・質の劣った小型株のほとんどは、強気相場では過大評価されがちであり、またその後の株価下落では有力銘柄と比較してさらなる下落を示すのみならず、 回復が遅れる傾向にある。

・二流株は完全なる割安銘柄と言える場合以外には、手を出してはならない。

・割安であっても月並みな企業は避ける (それなりの価格帯で、 もっと良い価値の高いものが無いか調査する)。

グレアム格言集

私が個人的に心に響いたグレアムの格言をご紹介いたします。

株価が大幅に上昇したすぐ後には絶対に株を買ってはならない。 また、大幅に下落したすぐ後には絶対に売ってはならない。

上昇相場終焉→得体の知れない小規模の株式が高値で売り出される(この朱の株式の公開には一流の投資銀行は関与しない)

企業の有形資産価値と極めて近似した価格――プレミアが付いてもその3分の1以下――で売られている株に投資を集中する。

成長株の定義=過去に好ましい業績を上げ、 今後もそれが期待できる株式

成長した後の成長株はPER20倍以上25倍以下で購入すべき

割安株の定義→その証券の評価価値の3分の2以下

急速な成長は長続きしない
企業が既に大成長している場合、その規模が大きくなりすぎたことから、さらなる躍進はより難しくなる。 いつしかその成長は横ばいになり、多くの場合下降線をたどることになる。

銘柄選択は 「除外すること」―――質の劣った銘柄を「除外」し、優良銘柄であっても株価が高く投機色の強いものは「除外」せよ

①現在株価に反映されているのは、その企業の過去および現在の業績のみならず、 将来についておよそ合理的といえる予測のすべてである。

②長期にわたって絶えず成長を続ける企業は極わずかであり、一定以上の企業規模がありながら完全な廃業に追い込まれる会社も極めて稀である。

~玄人向け~

本書を読み筆者的に面白かった点をまとめました。筆者の考察等も含まれますので予めご了承ください。

・銘柄の評価を行ってそれを現在の株価と比較して、 その取引が魅力ある買い物かどうかを決定する。

・銘柄評価は、将来の何年間かにわたる平均収益を見積もって、それに適切な 「資本還元比率」を乗じることで求められる。

・将来の収益率を求めるにはまず、 企業規模、 販売数量、 相利益、 売上額、 営業利益に関する過去の平均データを求める。次に、販売数と価格が過去との比較でどれだけ変化するかに基づき、将来の売上高が導かれる。

こうした計算に当たっては将来的な国民総生産(GNP)の予測を柱に、 業界や企業の評価に用いられる特別な計算式がその基礎となっている。

・成長株の資本化数
合理的と言える株の評価方法は 将来的な金利動向を考慮に入れたもの でなければならない。 金利が上昇すると予想収益や 予想配当の現在価値は小さくなる。

価値=現在の(標準的) 収益×(8.5+予想年間成長率×2)

8.5((7+8+9+10)+4)はその先7~10年後にかけての予想値

注意点: 価値の評価計算の際に取り入れるべきものは安全域の概念。 計算による見積もりよりも実際には低くなる可能性が高い。 将来予測を鵜呑みにしたり、 将来株価が予測にそった形で推移するなどという 誤った考えを持ってはならない。

・株式の安全性は企業の収益力の多寡によって決まる。 但し、公益企業 不動産会社 投資会社の安全性は資産価値の高さ(総資産の多寡)によって決まる。

・株価変動の意味
相場が急落すれば抜け目なく株を買い付け、 急騰すれば売るチャンスなのだ。 それ以外のときには株式市場のことなどわすれ、 受け取る配当金と企業業績に注意を注いでいた方が 良い結果につながるものなのである。

・株価収益率が高くても減益している企業は避ける→株価収益率が低くても増益している企業を探す

利益を伸ばし続けているのにも関わらず普通株の純経常資産を下回る株は買い(その他の問題点がない場合に限る)

・帳簿価格を基に行った研究

一定以上の規模を有し、かつ市場価格に企業ののれん価値が大きく織り込まれた企業は、高いパフォーマンスを上げた
*ここでいう「のれん価値」 とは、株価が帳価格を上回ったその差額という意味

①最高の格付け (A+) を得ている事業会社株
②株価指数が小幅に下落したにもかかわらず、 発行済み株式数が5000万以上の企業には総じて変化が見られない
③値嵩株(一株当たり100ドル以上)を平均とすると、 その他の銘柄よりもごくわずか (1%)上昇した

(A) 有力企業 (ダウ平均採用銘柄) で株価収益率が低い銘柄を買うこと (B) 正味流動資産価値(運転資本価値)以下で売られている銘柄によって、 十分な分散投資を図る

資産価値が株価の少なくとも3分の2以上

前期までの全損失を差し引き、固定資産およびその他の資産をゼロとみなす一以下の価格で様々な分散投資をすることが出来れば極めて満足の行く投資結果を得られる

・悲観論が株安となって現れている時には鉄鋼株のような景気循環型の企業の株が買われる

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