⚖️ 日産株主総会:内田前社長に株主の怒り爆発
2025年6月24日、横浜市で開催された日産自動車の定時株主総会は、約3時間にわたる大荒れの展開となりました。特に、前社長の内田誠氏に対し、株主から「なぜ発言しない!」「恥ずかしくないのか!」といった怒号が飛び交い、フラストレーションが爆発。1,071名の株主が出席し、前年を上回る参加者数の中、以下の問題が議論の中心となりました。
- 2025年3月期の業績:6,708億円の最終赤字。
- 無配転落:株主への配当がゼロに。
- 巨額退職金問題:前経営陣への高額報酬に対する強い反発。
💰 高額退職金と報酬への株主の反発
株主の怒りの矛先となったのは、前経営陣への高額退職金です。
- 内田氏ら4名の退任報酬:合計約6億4,600万円。
- 内田氏の個人報酬:約3.9億円。
これらの巨額な報酬に対し、株主からは「業績不振なのに高額報酬は許されない!」との批判が殺到。経営責任の明確化を求める声が相次ぎました。
🏛️ ガバナンスへの不満と株主提案の否決
株主からは、ガバナンスの不備を問う声も強く上がりました。具体的には以下の提案が出されましたが、いずれも否決。
- 社外取締役の解任要求:内田氏指名時の責任を問う。
- 報酬減額案:株価が前年度末から10%以上下落した場合に経営陣の報酬を減らす提案。
社外取締役は全員留任し、ガバナンス構造への不信感が改めて浮き彫りに。株主からは「経営体質が変わらない」との失望の声も聞かれました。
📉 市場反応:株価と日経平均への影響
株主総会の混乱は、日産の株価に短期的にはネガティブな影響を与えそうです。
- 6月24日の市場動向:日経平均は‑0.13%の小幅調整(終値38,354円)。日産の影響は限定的で、中東情勢など他のリスク要因に比べインパクトは小さいとの見方が主流。
- 日産株価の展望:短期的な下押し圧力はあるものの、市場全体への波及は抑えられる見込み。
🔍 投資家の注目ポイント
日産の今後を考える上で、以下のテーマが投資判断の鍵となります。
テーマ | ポイント |
---|---|
経営陣刷新と信頼回復 | 新社長エスピノーサ体制が株主の信頼をどれだけ取り戻せるか。 |
ガバナンス改革の進展 | 報酬制度の見直しや社外取締役の責任、透明性向上への対応。 |
業績回復の道筋 | 無配継続の中、工場改革や再建策の実効性に注目。 |
株価への影響 | 短期的なネガティブ材料の消化後、業績回復次第で中期的反転の可能性。 |
✅ まとめ
- 株主総会の混乱:赤字決算、無配転落、高額退職金、ガバナンス不備への株主の怒りが噴出。内田前社長への批判が特に顕著。
- 市場への影響:日産株価は短期的に下押し圧力がかかるが、日経平均への波及は限定的。
- 今後の鍵:新経営陣の信頼回復、ガバナンス改革、業績再建の進展が投資家の注目ポイント。
日産は大きな転換点を迎えています。短期的な株価変動に一喜一憂せず、エスピノーサ新社長の再建策やガバナンス改善の進捗を見極めながら、投資戦略を構築することが重要です。
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