【おすすめアニメ映画】新海誠監督の隠れ名作『言の葉の庭』をレビュー!

(引用:https://www.kotonohanoniwa.jp/page/product.html)

 

寒さとコロナ巣ごもりを言い訳に動画サービスを利用しがちな筆者です。

 

・短くて面白い映画が観たい

・作画が綺麗な作品が観たい

・恋愛ストーリー好き

 

『言の葉の庭』は上記3点に当てはまる方におすすめの作品です。

 

 

 

【作品・監督紹介】

『言の葉の庭』は2013年に公開された新海誠監督の作品で、ストーリーもさることながら、雨の描写の繊細さ、美しさが非常に高く評価された作品です。

 

新海誠監督といえば2016年に興行収入250億円超えの歴史的大ヒットを記録した『君の名は。』や、2019年にこれまた大ヒットした『天気の子』などの有名作品がある一方で、1998年『遠い世界』、2000年『彼女と彼女の猫』、2007年『秒速5センチメートル』などの、評価は高いが知名度があまり高くない作品も多く制作しています。

 

新海監督は会社員時代に仕事をしながら作品制作を続けていた様ですが、どの作品も作画が非常に丁寧で、素人目から見ても時間と労力をかけて制作したことがうかがえます。

 

また「ポスト宮崎駿」などとも囁かれていますが、2011年の『星を追う子ども』は作画・ストーリーともにジブリ作品を想起させるシーンが数多く登場し、宮崎駿監督の影響を強く受けている印象を受けました。

 

ジブリっぽい作品関連ではサンライズが1998年に制作した『カウボーイビバップ』の第1話に出てくる賞金首がブラッディ・アイをキメたシーンなんかもジブリっぽさを感じました。

宮崎駿監督のアニメーション業界に与えた影響は計り知れませんね。

 

個人的には『秒速5センチメートル』と、今回紹介する『言の葉の庭』の2作品が好きで何度も見返していますが、どちらも何度見ても飽きない作品で、『秒速5センチメートル』は人生・恋愛について考えさせられ、青春時代の記憶がよみがえり胸が苦しくなるような気分になる作品ですので機会があれば紹介します。

 

【登場人物・あらすじ】

物語は、靴職人になることを志す高校生の秋月孝雄(15)が、雨の日に学校をサボり「新宿御苑」を訪れるシーンから始まります。

新宿御苑で孝雄は、ぼんやりと見覚えのある女性、雪野百香里(27)に出会います。

 

「雨が降ったら」約束のない待ち合わせ場所に自然と足を向ける二人の関係が、少しづつ変化していく作品となっております。

 

この作品の上映時間は45分ですが、45分の中に文学的な要素や恋愛要素などの情報が詰め込まれているのにもかかわらず、きちんと整理されており、終わり方も非常に綺麗(内容ではなくあくまで構成について)で、例えるならば映画を見ているのに長文小説を要約した文章を読んでいるような感覚を覚える作品です。

 

作中ラストシーンでは秦基博が歌う大江千里の『Rain』が流れるのですが、見事に作品とマッチしていて、筆者は『Rain』を聴く度にラストシーンが思い浮かぶ程です。

 

また、ところどころで流れるサウンドトラックのシーンのピアノの音と雨の描写が絶妙にマッチしていて新海監督のセンスの良さに圧倒されます。

 

新海監督の作品は映像と音楽が絶妙なハーモニーを奏でて一つの作品として仕上がっているものが多く見受けられますが、特に『君の名は。』、『天気の子』ではRADWIMPSの音楽とのハーモニーが爆発的な人気を生みました。

 

RADWIMPSも2000年代前半から活動しており、非常に評価の高い音楽作品を数多く制作していましたが、メンバーのメディア嫌いが噂されていたためあまり知名度が高くなかったように感じます。

新海監督、RADWIMPSともに実力派でありながら知名度が低かった(作品ヒット前後を比較して)点で良きパートナーになったのでしょうか。

 

また、作中では百香里が夏目漱石の『行人』を読んでいるシーンがあり、文学的な要素を多く含む作品であると感じました。

 

筆者はこの作品の影響を受けて夏目三部作(前期:『三四郎』、『それから』、『門』、後期:『彼岸過迄』、『行人』、『こころ』)を読み漁りました。

 

新海作品の声優陣も非常に豪華な顔ぶれになっているので目だけではなく音で楽しむこともできる作品となっています。

 

筆者の『言の葉の庭』への感想は「作画、ストーリー、音楽全てが素晴らしく、45分という短い時間で人を惹きつける作品」です。

一言で表現すると「綺麗」です。

 

まだ見ていない方には是非見ていただきたい作品です。

 

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