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信越化学工業(4063)2026年3月期 第1四半期決算まとめ:売上増も利益減、現預金大幅減少の背景を解説

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信越化学工業株式会社(証券コード:4063)の2026年3月期第1四半期(2025年4月~6月)決算が発表されました。売上高は堅調な伸びを見せる一方、営業利益や純利益は減少。現預金残高も大幅に減少し、投資家にとって注目のポイントが詰まった決算内容です。この記事では、最新決算のポイントをわかりやすく解説し、背景や今後の展望を探ります。


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決算ハイライト:売上高は5.1%増、利益は二桁減

売上高:前年同期比5.1%増の6,285億円

2025年4~6月期の連結売上高は6,285億円で、前年同期(5,979億円)比で5.1%増加しました。半導体関連需要の堅調さや電子材料事業の成長が主な牽引役です。特に、半導体ウエハーやフォトレジスト材料の需要が安定し、売上を押し上げました。

営業利益:12.7%減の1,668億円

一方、営業利益は1,668億円で、前年同期比12.7%減となりました。利益率も前年同期の31.9%から26.5%に低下。コモディティ製品の価格低迷や原材料・エネルギーコストの上昇が利益を圧迫しました。

経常利益・純利益:ともに二桁減少

経常利益は1,816億円(前年同期比17.4%減)、親会社株主帰属の四半期純利益は1,264億円(12.2%減)でした。営業利益の減少に加え、為替差益の消失が響いた形です。


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キャッシュ状況:現預金が約4,000億円減少

当期末の現金及び預金残高は1兆4,609億円で、前期末(1兆7,084億円)から約3,999億円(23%)減少しました。主な要因は以下の通りです:

  • 自己株式取得:約4,000億円
  • 配当支払い:約1,038億円
  • 法人税支出:その他キャッシュアウト

これらの積極的な財務政策により、現預金は大幅に減少しましたが、依然として潤沢なキャッシュを保有しており、財務の健全性は維持されています。


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売掛金の動向:ほぼ横ばい

売掛金(受取手形+売掛金+受取契約資産)は当期末で5,161億円。前期末(5,147億円)と比較してわずかに増加し、前年同期比でも微増にとどまっています。売上高の伸長に伴い売掛金が増加したものの、キャッシュフローを大きく圧迫する要因とはなっていません。


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決算のポイントを整理

以下は、信越化学工業の2026年3月期第1四半期決算のポイントです:

  • 売上高の増加:半導体・電子材料の堅調な需要が支え。
  • 営業利益の減少:コモディティ製品の市況悪化とコスト上昇が影響。
  • 純利益の減少:利益率低下と為替差益の減少が要因。
  • 現預金の大幅減少:自己株買いや配当支払いなど積極的な財務政策を反映。
  • 売掛金は横ばい:売上増に伴うバランスを維持、資金繰りは安定。

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今後の展望:半導体需要に期待もコスト管理が課題

信越化学工業は、半導体関連事業の強みを背景に売上高の成長を維持していますが、利益率の低下やコスト上昇は今後の課題です。特に、グローバルな経済環境や原材料価格の変動、為替動向が業績に影響を与える可能性があります。一方で、潤沢な現預金を活用した投資や株主還元策は、長期的な成長戦略を支える要素と言えるでしょう。

投資家としては、半導体市場の回復トレンドや同社のコスト削減策に注目しつつ、次の四半期決算での利益率改善の兆しを見極めることが重要です。

免責事項:本記事は投資の推奨や助言を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。最新のIR情報は、信越化学工業の公式ウェブサイトでご確認ください。

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