2026年3月期の第1四半期決算で、さくらインターネット(3778)が過去最高の売上を記録した一方、営業赤字に転落し、市場に波紋を広げています。この記事では、最新決算の内容を紐解き、株価と業績の見通しを徹底分析します。投資家として押さえておくべきポイントも解説します!
✅ 売上は絶好調!GPU需要が後押し
さくらインターネットの2026年3月期第1四半期決算では、売上高74.92億円(前年同期比+26.2%)を記録し、過去最高を更新しました。この好調な売上の原動力は、生成AIや機械学習の需要急増による「GPUインフラストラクチャーサービス」の拡大です。
政府のクラウド・AI基盤に関する国策支援も追い風となり、同社の事業成長ポテンシャルは依然として高い評価を受けています。特に、生成AIの普及に伴うデータセンター需要の高まりは、さくらインターネットにとって大きなビジネスチャンスと言えるでしょう。
⚠ 利益面は厳しく、赤字転落
しかし、売上の好調さとは裏腹に、利益面では厳しい結果となりました。営業損失は4.57億円(前年同期は+2.31億円の黒字)、純損失は3.24億円(前年同期は+0.41億円)と、赤字に転落しています。
この赤字転落の主な要因は以下の通りです:
- 減価償却費の急増:15.34億円(前年比+73.7%)
- 運用コストの増加:事業拡大に伴うコスト増
- 設備投資負担:キャッシュフローを圧迫
つまり、成長分野への積極的な先行投資が利益を大きく圧迫している状況です。AIやクラウドインフラの需要に対応するため、データセンターやGPU関連設備への投資を加速させていることが背景にあります。
📉 通期予想は大幅下方修正
さくらインターネットは、2026年3月期通期の業績予想を大幅に下方修正しました。以下は修正後の予想数値です:
指標 | 予想数値 | 前期比 |
---|---|---|
売上高 | 365億円 | +16.2% |
営業利益 | 3.5億円 | −91.6% |
経常利益 | 4億円 | −90.1% |
純利益 | 2億円 | −93.2% |
この下方修正を受け、市場では失望感が広がり、株価は短期的に調整局面に入る可能性が高まっています。投資家の間では、成長期待と赤字リスクのバランスを見極める必要性が議論されています。
💹 株価見通し:中長期では成長期待も
短期的には、赤字転落と業績予想の下方修正が嫌気され、株価は軟調な展開が予想されます。しかし、中長期的な視点では、さくらインターネットは以下の理由から投資先として注目され続けると考えられます:
- 国策の恩恵:クラウド・AIインフラへの政府支援が追い風に。
- GPU関連事業の成長性:生成AI需要の拡大で、さらなる収益拡大が見込める。
- 国内データセンター市場の優位性:競合が限られた市場での強み。
- 株主還元姿勢:配当を1円増の年5円とする増配予想。
「赤字=即悪」と捉えるのではなく、将来の利益を見据えた先行投資のフェーズと理解することが重要です。成長分野でのポジション確立が成功すれば、株価の回復と上昇余地が期待できるでしょう。
💬 投資家へのアドバイス
さくらインターネットへの投資を検討する際、以下のポイントを押さえておきましょう:
- 短期売買を狙う場合:決算ショック後の株価の下げ止まりを見極める。ボラティリティが高い時期は慎重なタイミング判断が鍵。
- 中長期投資を考える場合:GPU事業の成長性や国策テーマを重視。市場の構造的な強みを評価。
- 情報収集の徹底:適時開示や四半期ごとの業績改善トレンドをウォッチ。収益化の進捗を確認。
特に、GPU事業の収益化スピードや設備投資の効果が顕在化するタイミングを見逃さないようにしましょう。
✅ まとめ:収穫前の苦しみ、未来に期待
さくらインターネットは、過去最高の売上を記録した一方で、先行投資の負担により赤字に転落しました。しかし、これは“収穫前の苦しみ”とも言える段階。AI・クラウドインフラの成長分野での積極的な投資は、将来的な収益拡大に向けた布石です。
投資を検討している方は、以下の点に注目してください:
- 次四半期以降の決算での業績改善トレンド
- GPUインフラストラクチャーサービスの収益化進捗
- 国策支援や市場環境の動向
さくらインターネットの今後は、成長分野での成功が鍵を握ります。冷静な分析と情報収集を怠らず、投資判断を行いましょう!
2025年7月28日時点の情報に基づいています。最新の業績や株価動向は、適時開示や公式発表をご確認ください。
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